地域冷暖房について

エネルギー環境

2011年3月11日(東日本大震災)以降のエネルギーを巡る環境は大きく変わりました。
原子力発電所が停止し、それまで空気のように思われていた電気が有限であり、その使い方・使用量についても人々が意識するようになりました。また、オフィスビルの世界でも大震災時に多くの建物が停電により機能停止になったことから、六本木ヒルズのような自家発電を持つ建物が見直されるようになりました。今や、BCP(事業継続計画)対応がオフィスビルの競争力を考える際にひとつのキーワードになっています。
また、大規模発電所からの送電だけではなく、電気と熱をトータルで有効に活用することができるCGS(コージェネレーションシステム)等を使った分散電源化でエネルギーの地産地消を図る動きも脚光を浴びてきています。更には、太陽光・風力発電等の自然エネルギー、鉄道の地下駅で発生する熱等の未利用エネルギーの活用も新しい流れになってきています。

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一方で、地球温暖化の進行により今後豪雨災害や猛暑のリスクがさらに高まると予測されており、脱炭素社会の実現を目指した取組みについて着実に進めていかなくてはなりません。
私達は、環境に優しい地域冷暖房を使って熱を供給しておりますが、このようにエネルギーを取り巻く環境が大きく変わる時代にあっても、新しい環境変化に対応して、今まで以上にエネルギーを賢く使うことにより、必要な活動をしながら、環境・地球にも優しい持続可能な世界を作っていくことに努めてまいります。

地域冷暖房とは

「地域冷暖房」とは、冷暖房や給湯に必要な冷水・蒸気をひとつのエネルギープラントで集中的につくりだし、配管を通して一定地域内にある複数の大型建築物に、効率よく安定して供給するシステムのことです。
それぞれの建物がボイラーの設置などを個別に行う熱供給に比べて、大規模施設で集中管理するこのシステムは、更なる省エネルギーに貢献できるとともに、経済面・環境面でも数々のメリットをもたらします。 また、CGS(コージェネレーションシステム)を導入することにより、災害時のBCP(事業継続計画)対応も可能になります。
地域冷暖房は災害にも強い、未来都市にふさわしい注目のインフラシステムです。

 地域冷暖房の仕組みを見る 

導入のメリット

地域冷暖房による安全で高効率なエネルギー供給と、熱源機器の一括管理は、各建物に様々なメリットをもたらすとともに、新宿の新しい街づくりにも貢献します。

24時間365日安定供給

24時間365日安定供給

熱源機器の運転や維持管理など、煩わしい空調業務を行うことなく、24時間365日、安定した供給が受けられます。

安全性が大幅にアップ

安全性が大幅にアップ

各建物で熱源機器の設置や燃焼用危険物の貯蔵が不要になるため、建物全体の安全性が大幅にアップします。都市災害の防止・抑制にもつながります。

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電気・ガス諸費用を削減

電気・ガス諸費用を削減

各建物で熱源機器を設置する必要がないため、設備の諸費用や電気の契約料等が削減されるとともに、効率的なシステムで電気・ガス費用が低減されます。

地球温暖化を緩和

地球温暖化を緩和

地球の温暖化につながる、CO₂をはじめとした温室効果ガスの排出量を削減します。

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ヒートアイランド対策に有効

ヒートアイランド対策に有効

屋上の冷却塔や煙突も不要となるため、屋上緑化ができるなど、都市美観の向上に役立つだけでなく、ヒートアイランド対策にも寄与します。

スペースの有効利用が可能

スペースの有効利用が可能

各建物での熱源機器が不要になるため、スペースを地下駐車場や倉庫などに転用するなど、有効に利用できます。

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資産価値の向上

資産価値の向上

常にクリーンな熱の供給が受けられるなどの安全性や信頼性は、資産価値の向上につながります。